老犬との生活~認知症や夜鳴きについて

病気のお話

ノアアニマルクリニック 院長の前谷です。

犬猫も高齢化が進み、高齢犬や高齢猫ちゃんたちと一緒に生活している方もすごく増えてきました。

様々なお悩みで相談を受けることが多いのですが、特に老犬は、元気で食欲もあるんだけど、立てなくなったり夜鳴きしたりと、飼い主さんの介護を必要とするケースも多く、悩みの種になることが多い印象です。

ワンちゃんにも認知症という病気があります。ボーっとして飼い主さんを認識しなくなり、ウロウロと徘徊して狭いところに頭を突っ込んで出れずに鳴いたり、粗相が増えたり夜鳴きしたり。。。

うちの子が当てはまるかどうか知りたい方は、ピュリナさん提供の症状チェックリストがありますので、以下からダウンロードしてチェックしてみてください。

認知症のチェックリスト(ピュリナさん提供)

 

実は私も老犬を飼っておりまして、実際に経験することで良かったことやアドバイスなどを書いてみることにしました。

うちのチョコちゃんです。縁あって知人から昨年ゆずり受けた老犬のトイプードルで、正確な年齢は分かりません。

おそらく17~18歳以上とかなり高齢であることは間違いないですが、昨年引き取った際にもすでに認知症でしたので、私たちの呼びかけに反応することもなく、ひたすらグルグル歩き回り、疲れたら寝るというワンちゃんでした。

こういった子の生活環境でよくオススメするのが、動画のような子供用プールですね。

認知症のワンちゃんは、狭いところに入り込んで出れなくなって大きな声で鳴いたりするのですが、このプールなら丸いのでずっと引っ掛からず歩くことが出来ますし、クッション性もあり危なくないです。

もし排泄で汚してしまっても水洗いできるので掃除もしやすいですし、認知症のワンちゃんにオススメです。

 

そんなチョコですが、この数か月で夜鳴きに悩まされるようになりました。

認知症のワンちゃんで、最も飼い主さんを困らせるのが『夜鳴き』だと思います。

つらそうに鳴くので、「どこか痛いのだろうか?」とかわいそうになりますし、続くと飼い主さんは慢性の睡眠不足になってしまいます。近所迷惑もだんだん心配になりますよね。

これまでなかなか良い改善策がなく、寝てもらうためにやむを得ず鎮静剤を処方することも多かったです。

チョコの場合は、立てなくなって起きようとバタバタしてて、それが続くと「ウオーン!」と大きな声で遠吠えのような声で鳴きます。

そういった場合、まずは関節痛などの足腰のトラブルに対しての治療をやってみます。

アンチノールプラスという高齢犬猫にとてもオススメのサプリメントや、関節炎の注射リブレラ注などを行いましたが、夜鳴きは改善しませんでした。

最近は、夜鳴きでお困りのワンちゃんに対しては、新しい薬をご紹介するようにしております。

この新しい薬は、最近まとまった使用報告(150頭以上での使用)が出てきまして、なんと!96%のワンちゃんで夜鳴きが改善した(3頭に2頭の割合で著しく改善と報告されてます。

歴史の浅い薬ですが、鎮静剤のように無理やり眠らせる薬ではないため、安全性も高いと考えられてますし、まとまった使用報告でも重大な副作用は一例もなかったとのことですので、安全に使えそうです。

うちのチョコちゃんの場合も、その薬を飲ませる前日までは連日夜鳴きで私も起こされてたのですが、飲ませたその日から夜鳴きが治まってぐっすり眠れておりますので、かなり効果がありそうですね。

もう一種類、サプリメントも併用して飲ませておりますが、そちらの効果もありそうなので、次回のブログではそのサプリメントについてもご紹介したいと思います。

サプリメントについてのブログはこちら

夜鳴きはワンちゃんだけではなく、飼い主さんもだんだん疲弊し日常生活に支障が出ますし、気持ちも落ち込んでしまいますよね。お困りの方がいらっしゃいましたら、一度ご相談くださいね。

 

最近のチョコは、食べ物を飲み込む力が弱ってきて、フードを口に入れたまま上を向いて一生懸命飲み込めずに頑張ってる姿を見るようになってきました。

認知症のワンちゃんは元々すごい食欲なのですが、こういった飲み込み力が弱ってしまうと、食べたいのに食べられなくなります。そうすると痩せて筋肉が落ちてしまい、ますます立てなくなっての悪循環になります。

そんな時にオススメの流動食も新製品で登場しましたので、さらにまたの機会でご紹介しますね。うちのチョコちゃんもその流動食に助けられてます。

その流動食のブログはこちら

一生懸命食べてる姿も可愛いんですけどね♪

いつまでも元気にいて欲しいと思う今日この頃です!

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