お水をよく飲みませんか?猫ちゃんの慢性腎臓病にご注意を!

病気のお話

ノアアニマルクリニック 前谷です。

ワンちゃんのフィラリアや狂犬病の予防時期がひと段落してきましたので、秋シーズンは猫ちゃん向けの記事を書いてみたいなと思っております。

さて。猫ちゃんの病気でとても有名なのが、腎臓の病気ですよね。猫飼いの方は皆さんよくご存じのことだと思います。

この場で、猫飼いの皆さんにぜひお伝えしたいのは、猫の慢性腎臓病(CKD)は『いかに病気を早期発見できるか??』がとてもとても重要だといつも思いますので、その点について書きますね。

慢性腎臓病は、決して治ることがない病気!です。

上図のように、腎臓の残り機能がどんどん少なくなって、イメージとしてはきれいなそら豆型の腎臓がだんだんとしわがれて小さく委縮していく…というイメージを想像してください。

一度失われた腎臓の機能は元には戻りません

血液検査のクレアチニン(CRE)という数値で、病期を4つのステージで分けて行くのですが、大きな転換点になるのが、ステージ2とステージ3の境界です!

それはどうしてか?というと、ステージ2は、まだ食欲元気もあり、お水をよく飲んで、たくさんおしっこをするという症状だけの段階だからです。

この「そういえば最近お水をよく飲むんです」ステージで病気を発見できれば、食欲もありますので、腎臓用の療法食に変更したり、病期が進行しにくいようにお薬やサプリメントの治療だけで治療が可能となり、その段階からも長く元気に過ごせる可能性が高くなります。

しかしながら、これがステージ3になってしまうと、食欲が落ちてよく吐くようになり、瘦せてきますので、点滴治療にも通っていただくことが必要となりますし、この段階では食欲も落ちてますので、なかなか腎臓病用の療法食も食べてくれないんです。。。ということになりがちです。

さらに重症のステージ4で見つかった場合は、「毎日点滴に通うか?それともしばらく入院させて点滴するか?」という究極の判断を迫られ、しかもその治療の甲斐もなく調子がどんどん悪くなり、最悪亡くなってしまうことすらあるのです。

ですから、これから夏が終わり涼しくなってきますので、「あれ?涼しくなってきたのに、まだすごくたくさんお水を飲んでるな~」とか、「トイレの砂の塊が大きくなったなぁ」という変化を見逃さないでいただきたいと思います。

気になった方は、ぜひ一度健康診断にお越しいただければと思います。

血液検査をさせていただいて現状の数値を把握し、それに合わせたオススメの食事なども推奨させていただきますし、できればおしっこも持参していただければ尿検査も可能ですので、ぜひおしっこもお持ちくださいね。

おしっこは、液体のおしっこではないとダメなので、シーツにしみ込んだものでは検査が難しいです。

システムトイレなら、下に落ちた尿を取ることが出来ますし、おしっこをする際にきれいなトレイで受けていただくなどして、何かの容器に入れてお持ちください。(お弁当に入れるお醤油さしのようなものでも大丈夫です)

今回の記事では、猫飼いの方に私個人としてもっとも伝えたいことを最初に書きました。

今後、治療に関することや療法食、薬、サプリメントなどについても書いていきたいなと思っております。

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